社用車を使う企業にとって、安全運転管理者の存在は「いたほうがよい担当者」ではありません。一定台数以上の自動車を使用する事業所では、道路交通法に基づいて選任しなければならない法的義務です。しかも、選任して終わりではなく、酒気帯び確認、記録保存、運転者の体調確認、運行計画、安全運転指導まで、日々の実務が伴います。近年はアルコールチェック義務化や罰則強化も進み、「知らなかった」では済まされない時代になりました。
直近でも、千葉市の電気工事会社で、業務用車両を5台以上所有していたにもかかわらず安全運転管理者を選任していなかった疑いで、代表者が書類送検されたと報じられました。きっかけは、従業員の無免許運転の発覚です。つまり問題は、事故や違反そのものだけではなく、会社の管理体制が整っていなかったことにも向けられています。
安全運転管理者とは何をする人なのか
安全運転管理者は、会社で車を使う現場の安全を守る責任者です。警察庁の制度概要では、主な業務として、運転者の状況把握、安全運転確保のための運行計画の作成、長距離・夜間運転時の交代要員の配置、異常気象時の安全確保、過労や病気など正常な運転ができないおそれの有無の確認、酒気帯び確認、確認内容の記録・保存、アルコール検知器の常時有効保持、運転日誌の備え付け、安全運転指導が示されています。名前だけ置いておけばよい役職ではなく、企業の安全管理体制そのものを動かす役割です。

どんな会社に選任義務があるのか
安全運転管理者の選任が必要なのは、使用の拠点ごとに、乗車定員11人以上の自動車を1台以上使用している場合、またはその他の自動車を5台以上使用している場合です。さらに、20台以上40台未満では副安全運転管理者を1人、40台以上では20台増すごとに1人追加しなければなりません。つまり、本社で1人選任して終わりではなく、支店や営業所ごとに確認が必要です。参考URLでも、この「事業所単位」で判断する点が重要な注意点として整理されています。
法的義務として特に重要な3つの実務
まず重要なのが、選任と届出です。安全運転管理者等を選任したときは、選任した日から15日以内に届出をしなければなりません。次に、酒気帯び確認と記録保存です。警察庁は、目視等による確認に加え、令和5年12月1日からはアルコール検知器を用いた確認を施行し、その内容を1年間保存すること、さらに検知器を常時有効に保持することを求めています。最後に、運転者の状態確認と安全指導です。過労、睡眠不足、体調不良を見逃したまま運転させれば、事故リスクは一気に高まります。

違反した場合のリスクは想像以上に重い
警察庁によると、道路交通法改正により、安全運転管理者の選任義務違反に対する罰則は、5万円以下の罰金から50万円以下の罰金へ引き上げられました。選任義務違反だけでなく、解任命令違反や是正措置命令違反など、制度を軽く見たまま放置することの危険性が整理されています。問題は罰金だけではありません。事故や無免許運転、酒気帯び運転が起きた際に、「会社として管理していたのか」が厳しく問われます。管理者不在や運用不備は、企業の信用失墜にも直結します。
いま企業が見直すべきこと

見直すべき点は明確です。自社が選任義務の対象か、事業所単位で確認できているか。資格要件を満たす人を選任し、届出まで完了しているか。アルコールチェック、記録保存、運転日誌、安全指導が形だけでなく実際に回っているか。ここが曖昧な会社ほど、事故や違反のあとに大きな問題になります。安全運転管理者の仕事は、事故が起きてから説明することではなく、事故を起こさせない仕組みを先に作ることです。
イシュー・マネジメント株式会社ができること
イシュー・マネジメント株式会社は、安全運転管理者の実務を「選任しただけ」で終わらせず、現場で機能する運用体制へ落とし込む支援を行っています。アルコールチェック運用の整備、機器導入、教育・講習を通じて、社用車を使う企業の飲酒運転ゼロ・交通事故ゼロを支えます。書類送検されてから見直すのでは遅い。いま必要なのは、管理者任せではなく、会社として法的義務を確実に果たせる仕組みづくりです。
共に「ただいま」をあたりまえにさせましょう。