社用車による事故が発生した際、「自動車運転過失致死傷罪」と「危険運転致死傷罪」のどちらが適用されるのかは、ドライバー本人だけでなく企業の管理責任にも大きな影響を及ぼします。
この2つの罪名は似ているようで、成立要件・刑罰・企業への影響が大きく異なるため、管理者こそ正しく理解しておく必要があります。

自動車運転過失致死傷罪とは

自動車運転過失致死傷罪は、注意義務を怠った結果、事故を起こし人を死傷させた場合に成立する犯罪です。

代表的な例としては、

  • 前方不注意
  • 脇見運転
  • 一時停止無視
  • 安全確認不足

など、「危険と認識していなかったが、結果として事故につながったケース」が該当します。

刑罰は比較的軽く、過失の程度により罰金刑や執行猶予が付くケースも多いのが特徴です。ただし、過失であっても死亡事故の場合は企業イメージや管理責任が問われる点は見逃せません。

危険運転致死傷罪とは

一方、危険運転致死傷罪は、明確に危険だと認識しながら運転し、結果として人を死傷させた場合に成立します。

具体的には、

  • 飲酒運転・薬物使用運転
  • 制御不能なスピードでの走行
  • 赤信号を無視しての交差点進入
  • あおり運転などの著しい危険行為

などが該当します。

この罪の最大の特徴は、「故意に近い危険性」が認定される点です。刑罰は非常に重く、長期の実刑判決が下される可能性もあります。

2つの罪を分ける「判断基準」とは

両者を分ける最大のポイントは、
「運転者が危険を認識していたかどうか」です。

  • 危険を予測できたが、うっかりミス → 自動車運転過失致死傷罪
  • 危険と分かっていながら運転 → 危険運転致死傷罪

ここで重要なのは、ドライバーの供述だけでなく、企業の管理体制も判断材料になるという点です。

事故で管理者が問われる責任

社用車・事業用車両の事故の場合、事故の重大性によっては

  • 安全運転管理者・運行管理者の管理不十分
  • 飲酒チェックや教育体制の不備
  • 会社としての再発防止義務違反

が問われる可能性があります。

特に危険運転致死傷罪が絡む事故では、
「なぜその運転を防げなかったのか」
「企業として適切な管理をしていたのか」
が厳しく追及されます。

これはドライバー個人の問題ではなく、企業リスクそのものです。

会社が負う現実的リスク

① 民事責任(損害賠償)

  • 死亡事故:数千万円〜1億円超に及ぶケースも珍しくありません
  • 治療費・休業損害・慰謝料は会社が請求対象となる可能性あり

② 使用者責任・運行供用者責任

  • ドライバー個人だけでなく、会社も賠償責任を負う
  • 「管理していなかった」こと自体が責任と判断される可能性

③ 管理者個人の責任

  • 安全運転管理者としての監督義務違反
  • 行政指導・信用失墜・取引停止リスク

管理者が今すぐ見直すべきポイント

社用車・事業用車両を管理する企業は、次の点を改めて確認する必要があります。

  • 飲酒・体調確認が形式的になっていないか
  • 危険運転を防ぐ教育が継続的に行われているか
  • 事故発生時の対応・再発防止策が明文化されているか

これらが不十分な場合、「知らなかった」「任せていた」では済まされません。

まとめ|事故は「起きてから」では遅い

自動車運転過失致死傷罪と危険運転致死傷罪の違いを知ることは、
管理者が自社を守るための最低限の知識です。

社用車・事業用車両の事故は、

刑罰・損害額・会社の未来を左右する分岐点です。

事故は、
「ドライバーの問題」ではなく
会社の経営リスクそのもの

今、管理者が動かなければ、
事故は「想定外」ではなく「時間の問題」になります。

だからこそ、事故が起きる前に、
教育・管理・仕組みを整えることが最大のリスク対策です。

イシュー・マネジメント株式会社は、
「飲酒運転ゼロ・交通事故ゼロ」
そして
「ただいまをあたりまえに」
を実現するため、企業の安全運転管理を支援しています。