交通事故防止の基本は「飲酒運転ゼロ」ですが、その実現のためには運転者のモラルや健康管理だけでなく、車両自体の安全性を常に確保することが不可欠です。どれほど運転者が注意していても、ブレーキやタイヤなどに不具合があれば重大事故につながる恐れがあります。つまり、不具合ゼロを徹底することが事故ゼロの第一歩です。
特に事業用車両を保有する企業では、道路運送車両法や安全運転管理者制度に基づき、日常点検や定期整備が義務付けられています。さらに2022年4月から白ナンバー事業者にもアルコールチェックが義務化され、2024年12月からはアルコールチェッカーを用いた確認が必須となりました。これらの背景を踏まえると、「飲酒運転ゼロ」と「車両不具合ゼロ」を両立する体制づくりが求められているといえます。
車両点検がもたらす効果
車両の日常点検や整備を徹底することは、以下のような効果につながります。
- 重大事故の未然防止:ブレーキやタイヤの異常を早期に発見し、事故を防ぐ。
- 飲酒運転防止と一体管理:点呼やアルコールチェックと合わせることで、車両と運転者の両面から安全を担保。
- 企業リスクの低減:事故による損害賠償や社会的信用の失墜を回避。
- 燃費や寿命の向上:日常点検でタイヤ空気圧やオイル状態を確認することで、経済的効果も期待できる。
車両日常点検チェックリスト
実務で活用できる「車両日常点検チェックリスト」を以下に示します。運転日誌や点呼記録と一体で活用することで、確実な安全管理が実現できます。
<車両日常点検チェックリスト(例)>
- ブレーキの効き具合:踏みしろ・異音・効きに異常がないか
- タイヤの状態:摩耗・亀裂・空気圧を確認
- ライト・方向指示器:点灯・点滅の正常動作を確認
- ワイパー・ウォッシャー液:視界確保のための作動確認
- エンジン・オイル・冷却水:量・漏れ・異音の有無
- 車体外観:損傷や荷台・ドアの閉まり具合を確認
このチェックリストを毎日実施するだけでも、重大事故を防ぐ可能性は格段に高まります。また、点検結果を書面またはデジタル記録として残す仕組みを整えることで、管理責任を明確化できます。
まとめ
「飲酒運転ゼロ」を目指す企業にとって、運転者の体調・意識管理と並び、車両の不具合ゼロを徹底する仕組みは欠かせません。アルコールチェックの義務化と同様に、車両点検も「日常の基本習慣」として組み込み、継続的に管理していくことが事故防止の近道です。
安全運転は「人と車の両輪管理」で成り立ちます。今日から車両日常点検を徹底し、飲酒運転ゼロ・事故ゼロを共に実現していきましょう。